2009年3月ヘブロン

ベツレヘムからヘブロンへ向かう途中にありました。ユダヤ人入植地の入り口です。まるで〈ゲットー〉のようです。

ヘブロンではまだロバが実用的な乗り物として使われているようです

ヘブロンの市場です

こちらもヘブロンの市場です。《マクペラの洞窟》へと続く道ですから、観光客でごった返していても良いはずですが、あまり景気は良くなさそうです。道路の上に金網がありますが、これは不法占拠しているユダヤ教の正統主義者からなる入植者が、上からごみを投げつけて嫌がらせをするので、それを防ぐためです。

ヘブロンはユダヤ人に占拠されてしまっている地区とパレスティナ人地区とに分かれていますが、これはパレスティナ人地区の家屋を占拠しているイスラエル軍兵士です。銃口の先にパレスティナ人の子供がいます

これもパレスティナ人地区の家屋を占拠しているイスラエル軍兵士たちです。洗濯物を干しているのはパレスティナ人女性です。こういう状況になっている建物がいくつもあります。

パレスティナ人男性によれば、イスラエル軍に襲撃され、放火された部屋だそうです

《イブラヒム・モスク（マクペラの洞窟）》のイスラム教徒側の入り口です。ただし、武力はイスラエル軍が持っていますので、出入りはイスラエル軍が管理しています。イスラム教徒がモスクに入るのにイスラエル軍の許可が必要なのです。
イスラエル軍兵士は私が入るのを許可しなかったのですが、ここで出会った日本人旅行者3人――女性2人、男性1人――と一緒に交渉し、うまい具合に女性がトイレに行きたいと言い出してくれたものですから、通りかかったパレスティナ人の助けもあって入ることができました。ここは紛争地帯の真ん中ですから、どうすればいいのか困りました。

どうにかチェックポイントを通り抜け、イブラヒム・モスクへと通じる階段を上ります。この階段の左にトイレとモスクで祈るために手足を洗う場所がありました

イスラム教徒の女性はあまり写真を撮られたがりませんので、珍しいといって良いかも知れません。右の女性が手に持っているカメラのシャッターを押してあげたお礼に撮らせていただきました
後ろに見えるのはアブラハム――イスラム教ではイブラヒム――の妻〈サラの碑〉です

アブラハム――イスラム教ではイブラヒム――の妻〈サラの碑〉です
高さは2.5メートルほどです

《イブラヒム・モスク》に安置されている《イサクの碑》（右）と《レベッカの碑》（左）です

青い天井がとてもきれいでした

いったんモスクを出て、坂を下るとブロックで作られたユダヤ人地区（右）とパレスティナ人地区の境界線（左）があります。

ユダヤ人地区を歩くイスラエル兵の後ろにはブルドーザーが見えます。これは工事のために使うのではなく、軍用で、パレスティナ人の家屋を破壊するのに使います。《ジェニンの虐殺》でも同じような重機が使われました。日本製ではないと良いのですが

《イブラヒム・モスク（マクペラの洞窟）》のユダヤ教徒側の入り口です。

上の階段を上ったところにあるユダヤ教徒側のチェックポイントです。チェックを受ければ、カメラも持ち込めます。

左は一人旅をしていたドイツ人、右はヘブロンに住むパレスティナ人です。このあたりをいつもうろうろしていて、IDカードのようなものを見せながら近づいてきます。あとで不愉快な思いをするかもしれませんから、もしもヘブロンに行くことがあれば無視してください。言わばヘブロンの不良であることが分かりました。私はたいした実害がありませんでしたし、彼に下の写真にある《ピース・メイカー》に連れて行ってもらいましたが、僅かな金額とはいえ「アラブ価格」の買い物もしてしまいました。初めてのヘブロンで、あとで考えると一般的な物価を理解していなかったせいです。
昼間であれば、この周辺でも治安に問題はありません。夜になるとイスラエル兵がパレスティナ人を襲撃するために出動しますから、とても危険です。《ユダヤ人狩り》ならぬ《パレスティナ人狩り》があるのです。ただ、私が行ったのは2009年3月ですが、ガザ地区のこともあって、この時期には襲撃は行なわれていなかったようです。

ヘブロンの町を見下ろす高台に行きたいと言いましたので、付き合ってふたりで坂を登りました。この後、彼女は反対側の坂を下るために歩いていきましたが、大丈夫だったのでしょうか？

《ピース・メイカー》というヘブロンのNGOの事務所に貼ってあったポスターです。パレスティナ人の老人に銃を突きつけるイスラエル兵のヘルメットには《殺すために生まれてきた》と書かれています

《ピース・メイカー》で働く女性。カナダ人だそうです。お茶とケーキをご馳走してくれました。感謝！

ユダヤ人の子供
後ろにここで出会った日本人旅行者が写っています

パレスティナ人の子供――鼻糞はご愛嬌