マケドニア共和国オフリト市 Охрид

コソボのプリシュティナからバスでマケドニアのスコピエに、スコピエのバスターミナル――高架になっている鉄道駅の下にあります――でバスを乗り継いで、オフリトに向かいました。スコピエは一度行きましたが、見どころはこれと言ってありません。オフリトも二度目ですが、何度でも行く価値のある場所だからです。待ち時間も含めて、七時間くらいかかりました。コソボからスコピエまでのバスは、出稼ぎ風のアルバニア系コソボ人が多く、私はカラスの群れに紛れ込んだ白い鳩のようでした。パスコントロールはいわゆる顔パスでした。
下のグーグルの衛星画像はオフリトのもっとも古い市域です。四世紀ころに始まる教会がいくつかあり、オスマントルコの征服下にありましたので、モスクもあります。マケドニア共和国が〝マケドニア〟を名乗ることにギリシャは反対していること、マケドニア共和国の住民の約25％はアルバニア人、約30％はイスラム教徒であるなど、紛争の種がいくつもあります。ご近所づきあいはあまりうまく行っていません。オフリト合意でアルバニア人の民族的権利が認められたのは2001年11月ですから、まだあまり時間は経っていません。詳細は「マケドニア共和国」(wikipedia)をご覧ください。
2009年にオフリトで、昔のユーゴスラヴィアの大統領チトーのＴシャツを買ったのですが、Ｔシャツ屋のおばさんが「チトーの頃はよかった」と言っていたのが思い出されます。経済的には相当悪いようです。
ともあれ、小さな町ですが再び二泊して、ゆっくりと過ごしました。美しいオフリト湖、古代ローマの劇場、石造りの古い教会など、楽しい場所です。
ひとつだけ残念だったのは、前回オフリトに来た時に宿泊したホテルが閉鎖していたことです。従業員の女性にお世話になったので、日本製のハンドクリームをお土産に買っていったのですが、渡せませんでした。今回滞在したホテル――右上の交差点近く――の従業員にあげました。仕事柄手が荒れるんだ、と言って喜んでくれました。

高架になっているスコピエ駅の一階部分がバスターミナルになっています。そこで、この小さなバスに乗り継ぎました。バスターミナルには、インフォメーションがありますし、ウインドウに"CKOPJE-OXRID"と書いてあります。シーズンオフなのでこんな小型バスです。乗客は私一人。途中で二人乗り込んできて、合計三人でオフリトに向かいました。マケドニアは鉄道の整備が進んでおらず、バスが一般的な交通手段です。オフリトにも鉄道はありません。

Fortress「砦」となっているのですが、詳細はさっぱり分かりません。オスマントルコ帝国時代のもののようです。上のグーグルの衛星画像では左に "Car Samoil's Fortress" とあります。

"Fortress" 「砦」の上から見たオフリトの町とオフリト湖です。湖に沿って右（南）へ進むとアルバニアとの国境があります。今回越えた国境はここではありません。

砦でイランから来た家族に出会いました。父親の許可を得て撮影させていただきました。13歳くらいだと思います。後ろにオフリト湖越しにアルバニアの山々が見えます。

上の画像で左下に見える「カネオの聖ヨハネ教会」です。これも詳細はさっぱり分かりませんが、ロケーションが気に入っています。

同じ教会です。このあたりに行くことがあれば、長身で40代くらいの男に話しかけられるかもしれません。遺跡の管理をしているようなことを言っていましたが、嘘です。私は二度オフリトに行き、二度ともその男に会いました。最初は気づきませんでしたが、少し話したところでは、痴呆か何かのようで、言うことに徐々に脈絡がなくなっていきました。地元の人たちもほとんど相手にしていませんでした。角を立てないように、適当にあしらうことをお勧めします。

「聖ソフィア教会」です。上の画像では中央少し下に "Saint Nikola Gerakomija" の左に見えます。詳細はさっぱり分かりません。古いことだけは確かです。
そもそもこの地域は最も早くからキリスト教が広まったことで有名なので、古い教会がたくさんあります。もちろん、すべて世界遺産です。

異なる角から見た「聖ソフィア教会」です。

丘の上に立つ「パンテレイモン教会」です。オフリトでも最も美しい教会です。周辺は発掘が行われていますが、あまり進んでいません。資金難でしょう。

オフリト湖からまっすぐにつながるメインストリート――グーグルの衛星画像では右端に見えます――に面したところにある教会です。名前が分からなくなってしまいました。

宿泊したホテルの窓からオフリト旧市街を撮影してみました。目の前に見えるトタン屋根は市場です。
いつも旅行に出かけるときは、古い下着、古い靴下、古いＴシャツなどを持って出かけ、《使っては捨てる》を繰り返すことにしています。このときに、日本から持って行った古い靴下をみんな捨ててしまいましたので、ここで代わりを買いました。その先にはモスクが見えています。すぐ近くにはキリスト教会もありますし、この街はマケドニア正教徒とイスラム教徒が住み分けている地域と混住している地域とがあるようです。

オフリト"Oxpid"からストルガ"Ctryɤa"まで通学の高校生を満載したミニ路線バスで向かい、バスの運転手が教えてくれた場所で降りて、15分ほど歩いてようやくバスターミナルにたどり着きました。時間になってもバスが来ないので心配しましたが、切符売り場のお姉ちゃんによれば、「遅れている」だそうです。30分くらい遅れてようやくアルバニアのティラナ行きのバスが来ました。大型のバスでした。

国境です。手前がマケドニア、向こう側がアルバニアです。パスポートの表紙だけでOKでした。