オフリト

ソフィアからスコピエまでの所要時間は覚えていません。実際にはスコピエで一泊してからオフリトに向かい、オフリトで二泊した後、スコピエに戻って二泊してから、イスタンブールに戻りました。
オフリトは2001年8月の「オフリト合意」でも分かるように、マケドニア正教徒のマケドニア人とイスラム教徒のアルバニア人の対立の地です。「オフリト合意」について詳細はwikipedia「オフリド合意」をご覧ください。ついでに「オフリド」(wikipedia)も。マケドニアの民族紛争についてまったく知識はありませんが、ともかく現場に行ってみることにしました。
この二年半後、2012年3月にオフリトを再訪しました。その時の写真もご覧ください。

ブルガリアからマケドニアに入る税関です。もちろん申告すべきものなど持っていません。

マケドニアに入りました。「禁煙」のマークはバスの窓についていたものです。

スコピエで一泊した後、オフリトへ向かいました。乗車の前日にバスの時刻表は確認しておきましたし、スコピエのバスターミナルにはインフォメーションがありますから迷うことはありませんでしたが、左をスコピエ、右をオフリトと読むのは難しいです。

スコピエからオフリトへの途中、休憩したドライブインです。

オフリトのバスターミナル、終点です。ここは町はずれで、中心部へ行くにはもっと手前で降りるべきでした。ナウム修道院へ行くバスもここから出ます。オフリトには空港がありますが、機影を見たことはありません。シーズンオンにはチャーター機が飛ぶそうです。鉄道はありませんから、公共の交通機関はバスしかない、と言って良いでしょう。切符は右のミニバスの向こうに見える小屋で買えます。

スコピエからオフリトまで、バスで一緒だった青年です。最初は大きな音で音楽を聴いていて、周りから浮いていましたが、話しかけてみたら気さくな感じのよい青年でした。胸に三日月のブレスレットを下げて、イスラム教徒であることを顕示していたのが原因のような気がします。バスを降りると宿の客引きが私に集まってきたのですが、追っ払ってくれました。
スコピエ同様、オフリトもアルバニア系イスラム教徒の多い街です。オフリト市の東側が彼らの集住地区のようでしたが、中心部にもモスクがあり、基本的には混住しています。
キリスト教徒に「イスラム教徒ですか？」と質問すると気分を害してしまいますから、気を付けて。その逆もです。

この湖は本当に綺麗です。この時は9月で、それほど気温は高くないのですが、泳いでいる人もいました。慣れれば大丈夫だといっていました。医者だそうです。ここは住みたい街です。

オフリト湖に面したこのホテルに泊まりました。左に見えるこのホテルのレストランでオフリト湖でとれた魚を食べてみましたが、美味しかったです。

この女性にお世話になりました。最初の夜、停電があったのです。ほとんど泊り客はいませんでしたが、夜9時頃だったでしょうか、突然真っ暗になって水道も出なくなりました。シャワーを浴びてそろそろ寝ようとしていたところだったので困りました。外を見ると周囲も真っ暗でした。手探りで一階に降りるとフロントのこの女性がいました。「この地区一帯が停電でいつ回復するか分からない」
「歯磨きもせずに寝なきゃならないの？」
「ミネラルウォーターほしい？」
「うん」
というわけで水差し一杯の水をもらって翌朝、彼女はまだフロントにいました。少しお喋りをして、MP3プレイヤーの充電を頼みました。USBメモリーの形をしていましたから、ウイルスは？ とか言っていましたが、もちろん冗談。充電してくれました。ついでに、フロントのPCを使わせてもらいました。
二年半後、2012年3月にオフリトを再訪した時、同じホテルに泊まってこの女性にお土産を渡すつもりで日本製のハンドクリームを買って行ったのですが、ホテルはつぶれて廃墟になっていました。ガッカリ。

泊まった部屋です。広くて小さなベランダもついていて快適でした。

オフリト湖の夕景。丘の上に立つ城塞が明るくライトアップされているのが分かります。

同じ場所から反対側を

オフリト湖畔に立つ「聖なんとか」です。

オフリト湖畔から徒歩10分ほどの市中心部です。右にモスク、左に教会が見えます。混住ぶりが分かります。まっすぐに行くと商店街、安価なレストランもあります。左へ行けば湖畔です。

おじいさんの同性愛者ではありません。「聖なんとか」です。正教の聖人は西欧の聖人とは全く違いますので、さっぱり分かりません。

湖畔にある祈りの場です。古い教会は観光地であって祈りの場ではありません。地元のおばあちゃんたちはこんなところで祈っています。

地元のお姉ちゃんです

市中心部とオフリト湖畔を結ぶメインストリートです。土産物屋とレストランなどが並んでいます。
昔のユーゴスラビア連邦共和国チトー大統領のTシャツを売っていましたので購入。Tシャツを売っていたおばちゃんいわく、「チトーの頃は良かった」そうです。チトー大統領はユーゴスラビアを構成する豊かな共和国から集めた税金を貧しい共和国にばらまき、さらに対外債務で国家財政を支えていました。マケドニア共和国は最も貧しい共和国でしたから、独立後の経済は悲惨です。年金や医療などの面で、高齢者には特にしわ寄せがきているはずです。

トルコではよく見かけますが、地階よりも上の方が大きくて、地震の国出身としてはちょっと怖い。

サソリ！ ですよね。私は蠍座です。

猫です。車のいないところに住んでいますから幸せそうです。過日亡くなったうちの猫のマキにちょっと似ています。マキは22年と1カ月生きました。この猫も長生きをすると良いですね。

グーグルの衛星画像です。右上に見える交差点の近くにスコピエからのバスが止まる停留所があります。二度目の滞在はこの交差点近くに泊まりました。
ここは現在のオフリト市としては町はずれになりますが、旧市街地になりますので、観光の見どころはすべてここに集まっています。滞在したホテルは右下にあったのですがすでになくなっています。

上の衛星画像の左に見える城塞 "Fortress" が高台にあります。そこまで登る途中にこんなものがありました。城塞機能の一環だと思います。

城塞 "Car Samoil's Fortress" です。立派な城門と城壁が残されていますが、内部はこれと言って見どころはありません。ただ、城壁からの眺めはなかなかのものです。オフリト湖が一望できますし、対岸のアルバニアも見えます。

古い劇場跡です。放置されていますが、まだ使えそうです。

反対側、舞台から客席を見ています

城塞から坂を下ると "Early Christian Basilica" 早い話が古い教会跡があります。二年半後にここに行った時にもこのままでしたから、たぶん資金難で発掘作業が続けられないのでしょう。

発掘現場の隣に "Saint Pantelejmon" 「聖パンテレイモン教会」があります。

オリジナルなのか復元なのか分かりませんが、きれいではあります。目の前にオフリト湖とアルバニアが見える高台にあります。

中に入れます

上の衛星画像で左下に見える「カネオの聖ヨハネ教会」の入り口かと思いましたが、写真を見るとそうではないようです。

「カネオの聖ヨハネ教会」です。この教会は2012年3月にも撮影しました。その時の写真もご覧ください。左のおじいさんは置物ではありません。生きていますし、動きます。

"Holy Mary Perybleptos" "Света Богородица Перивлепта" です。

側面からです。観光名所ではありますが、祈りの場でもあります。

湖面からすぐの小さな祠

「聖ソフィア教会」 "Saint Sophia" "Света Софија" です

内部を見学することもできます。暗くて写真は撮れませんでした。

「聖ソフィア教会」の……言葉を忘れてしまいました。主祭壇の外側の半円形の外壁を何と呼ぶのか忘れてしまいました。それよりも気になるのは、銃眼があるように見えることです。ここから外にいる人間を撃つなんてことはないはずです。教会ですから。

行きと帰りは同じ場所で休憩を取ります。